平成17年度 子どもゆめ基金
群馬ふれあいフェスティバル


★「あかぎの森の物語〜物語と野外活動を融合させた新しい冒険プログラム〜」★
★講演会 「子どもたちの未来を拓く!〜読み聞かせと自然体験活動の融合〜」★

平成18年1月21日(土)〜22日(日)に平成17年度子どもゆめ基金事業群馬ふれあいフェスティバル「あかぎの森の物語〜物語と野外活動を融合させた新しい冒険プログラム〜」及び講演会「子どもたちの未来を拓く!〜読み聞かせと自然体験活動の融合〜」が実施されました。
参加者の皆様の様子やプログラムの模様について御報告いたします。
あかぎの森の物語   子どもたちの未来を拓く!


★メインストーリーの始まり始まり



★馬頭琴て,おもしろい形だね〜



★物語の世界にみんなにっこり


★あかぎの森へ探検だー!



★ネイチャースコープで虫を観察



★おやつづくり:おいしそう!



★あかぎの森の音楽会

1月21日(土)の日程

13:00〜13:30 受付
13:40〜14:10 メインストーリーの読み聞か
            せ(大スクリーンによる挿絵
            上映)
            ※「スーホの白い馬」より
14:10〜14:30 馬頭琴演奏
14:30〜14:50 開会式
15:00〜16:00 年齢別読み聞かせ
16:00〜17:30 おとな〜講演会
            こども〜あかぎの森の探検
17:30〜19:50 チェックイン・入浴・夕食 
19:50〜20:40 「あかぎの森のコンサート」
            馬頭琴とギターの演奏会
            「スーホの白い馬」の国(モ
            ンゴル)のお話


数日前からの天気予報では,「雪が降る」と予想されていたイベント当日でしたが,赤城の山には雪が降らずにすみました。
場内が暗くなると,メインストーリー「スーホの白い馬」の読み聞かせが始まり,大きなスクリーンに映し出された絵をだれもが注目していました。
馬頭琴奏者の横田和子先生から,馬の頭が飾りについた弦楽器の紹介があり,「スーホの白い馬」の舞台であるモンゴル国の音楽を鑑賞しました。普段はあまり耳にすることのない馬頭琴の独特な音色が人々の興味を引きました。
年齢別読み聞かせでは,プロの先生方の語りにおとなもこどもも時を忘れて楽しみました。
夕方4時頃からは,子どもたちのあかぎの森の探検がはじまりました。外の寒さもなんのその!虫を観察したり,松ぼっくりに色をつけたり,自然に親しんだ活動ができました。暗くなる頃にはおやつづくりが始まって,あつあつのパンケーキをみんなで食べました。
おとなたちは,講堂で絵本作家“得田之久”先生の講演会でした。子どもの読書活動と自然体験活動の大切さについて考える機会となりました。
夜は,「あかぎの森の音楽会」が開かれ,馬頭琴奏者の横田先生の他にアコースティックギター奏者の榊原長紀先生も加わった演奏会でした。モンゴルのお話もあって,「スーホの白い馬」の物語が身近に感じられました。
寝る前に,宿泊部屋で絵本を読んでもらい,1日目が終わりました。
講演会

【絵本作家】

得田 之久先生
(とくだ ゆきひさ)

※童心社,福音館書店から多数出版


1月21日(土)の夕方4時から,絵本作家である得田之久先生をお迎えして,読み聞かせと自然体験活動の融合について講演をしていただきました。

子どもの体験活動と読書活動を,子どもの発達段階における必要な要素として捉え,それぞれの必要性と,それらを融合した活動の意味や価値を考える講演会でした。

得田先生の幼少時代の自然体験が大人になってもいきていることが,講話から伝わってきました。


講演会場には,得田先生著書のたくさんの絵本が展示されました。それらの中には,得田先生御自身が手がけられた挿絵の絵本があり,得田先生の感性の豊かさを感じられました。

絵本の他に紙芝居やカード等もあり,見ているだけで得田先生の世界へ引き込まれていきました。
1月21日(土)の日程

 7:00〜 7:45 起床・清掃
 7:45〜 8:20 朝食・荷物整理
 8:20〜 8:40 集合・出発
 9:00〜11:30 おとな〜講義「親と子の心をつ
                 なぐ読み聞かせ」
            こども〜野外体験活動
11:30〜12:45 野外炊事体験(モンゴル料理)
12:45〜13:45 昼食
13:45〜14:50 後かたづけ・移動
15:00〜15:20 閉会式・解散(BGM:馬頭琴
            とギターの演奏



9時からの野外体験活動は,昨日の絵本に登場した動物たちが集まり,人のために働いている様子を見たり,一緒に活動したりすることができました。また,動物のぬくもりを感じるだけでなく,秘められた能力も知ることができました。
おとなたちは,9時から研修室で読み聞かせの手法などについての講義がありました。講師は,メインストーリー「スーホの白い馬」を全体に読み聞かせてくださった,寺澤敬子先生でした。「親と子の心を育てる読み聞かせ」をテーマに読書活動の大切さ,楽しみ方,よい本の選び方などを丁寧にお話くださいました。
「スーホの白い馬」が音楽と共に登場した登場したときは,みんな立ち止まって見ていました。中には,シャッターチャンスをねらった子も…
お昼の準備をみんなでしました。かまどの火を見る人やお料理をする人など,仕事の分担はたくさんありました。水がすごく冷たかったけど頑張りました。
みんなで力を合わせて作ったモンゴル料理は,格別なおいしさでした。何度もおかわりをする子,食べられなかった野菜が食べられた子,自然の中での食事にますます食欲が増しました。
楽しい時間はあっという間に過ぎて,閉会式になりました。お世話になったたくさんの人たちに「スーホー!」のかけ声とポーズでありがとうの気持ちを伝え,お別れをしました。

         みんな元気でね!
      またあかぎで会いましょう!



★セラピー犬はおとなしいね



★災害救助犬!早く来て〜



★馬・ロバ・ポニーに乗ったよ



★スーホの白い馬,登場!


★野菜はうまく切れたでしょ



★モンゴル料理はおいしいぞ!

実行委員会企画委員より
    <実行委員会企画委員より>

寺澤 敬子
(群馬県読み聞かせグループ連絡協議会会長,ともだち文庫主宰)

読み聞かせでは,モンゴル料理の名前を使った歌を歌ったり,実際にモンゴル料理を食したりして,とても楽しい2日間でした。ある子は,外で見つけてきたカマキリのことが,夜の読み聞かせでも出てきて,とっても興味をもってお話に聞き入っていました。
今回のイベントで,本から得ただけの知識だけではなく,体験の世界へ出たり入ったりしながら身につけていくことが大切なんだと改めて感じました。年齢にあったよい本を提供することが,読書を好きにさせるために必要な条件の1つですね。子どものうちは,親子での体験も大変貴重です。
また,グループリーダーや赤城青年の家のボランティアの若者たちの支援活動がすばらしかったですね。

黛 徳男
(アドベンチャー集団Do!代表)

グループリーダーのスタッフたちは,子どもたちと仲良くなってよくめんどうを見ていましたね。厳しい寒さの中,野外炊事後のかたづけも全てやってくれましたし。
モンゴル料理の野外炊事では,子どもたちにもナイフを持ってもらい野菜を切る作業をしてもらいました。最近の子どもたちは,「ナイフ」というと“道具”ではなく“凶器”と思っているようですが,使い方を間違えなければとても便利な物であるということを学ばせたいですね。「危ないから使わせない」のではなくて,“道具”としての正しい使い方を知識として身につけさせてあげることが大切だと思います。
2日間,参加者の子どもたちが楽しく過ごせてよかったです。


●穴沢 剛行

(にいはる自然学校 校長代理)

プログラムは盛りだくさんでしたが,大人の方へも自然体験が企画できるとよかったかなと思いました。また,子どもたちだけのグループ編制は,子どもの自立心を促してよかったと思いました。
読み聞かせでは,プロによる読み聞かせがとても効果的でした。さすがです。
お金をかけないでできるプログラムの一覧をつくって普及していく「パッケージ」を考えていきたいと思いました。「あかぎの森の物語」もシリーズものにできたらすばらしいですね。


●橋本 利雄
(実行委員会代表,国立赤城青年の家事業課長)

今回,モンゴル大使館の協力をいただき,モンゴルの家(ゲル)や民芸品等を展示することができました。また,馬頭琴やギターの演奏が雰囲気づくりに役立ち,より効果的に「スーホの白い馬」の物語を演出できたかと思います。
二日目は,動物たちとのプログラムで,人間と動物との関わりについて学ぶことが多かったと思います。盲導犬はだいぶ知られてきましたが,災害救助犬・警察犬・聴導犬・セラピー犬は,普段なかなか見られない犬たちで,貴重な体験になったと思います。白馬やポニー・ロバに初めて乗ったという子はたくさんいたのではないでしょうか。

この事業は,本当にたくさんの方々によって成り立っていました。今後の,国立赤城青年の家主催事業の参考にしていきたいと思います,ありがとうございました。