平成17年度 国立赤城青年の家主催事業

あかぎ自然学校自然探索部V

平成17年12月4日(日)に主催事業「あかぎ自然学校自然探索部V」が実施されました。
事業の様子やプログラムの模様について御報告いたします。

(あかぎ自然学校センター棟)

夜の観察  前日夕方17時00分より,あかぎ自然学校センター棟周辺でオプションプログラムTとして夜の観察会を行いました。所内に設置した巣箱にムササビ親子が居着いているので,活動を開始する時間に合わせて,生のムササビを観察しようというわけです。集まった参加者の皆さんのほとんどが,直接野生動物を観察するのは初めてのようでした。まず,研修室内において,巣箱内に仕掛けてあるライブカメラの映像でムササビ親子が寝ていることを確認しました。
 日没直後少し動き出したので,全員で巣箱の前に移動し,息をひそめながら親子の出番を待ちました。すると,17時20分頃,1頭が巣箱の入り口に顔を出して外の様子をうかがいました。いつもと違う気配を察して警戒しているのか,じっと参加者の方を見ていたり,巣箱内に戻ったりして,なかなか外には出てきません。しかし,17時35分に,1頭目が入り口からするすると出てきて,その木の樹上近くに登って行きました。続いて2頭目も追いかけるように巣箱から出てきました。2頭は樹上近くの横枝先端まで進むと,音も立てずに連れ立って飛び出し,南側の植林された暗い林に消えていきました。参加者の皆さんは,「おお」とひそめた声で感動し,その喜びようは素直な子どものようでした。
ムササビの説明を聞いてます 巣箱の中のムササビ
 
朝の観察  当日早朝7時00分より,青年の家玄関からあかぎ自然学校に至る途中で自然観察を行いました。主に野鳥を観察しました。声に耳を澄ませ,姿に目を凝らしながら,12種ほどの野鳥を確認しました。双眼鏡などでアオゲラやアカゲラの姿をはっきり見られた方もいたようです。その美しさに感動していました。
〈確認された野鳥〉キジバト・アオゲラ・アカゲラ・コゲラ・セグロセキレイ・ヒヨドリ・ウグイス・ホオジロ・カワラヒワ・スズメ・カケス・ハシブトガラス
 また,前日より録画しておいたライブカメラの映像で,何時頃ムササビが巣箱に帰って来たのか確認しました。すると,午前4時5分に1頭目,4時55分に2頭目が帰ってきました。帰宅後はすぐに寝始めました。外出していた時間は11時間ほどになります。
早朝の自然観察
午前 赤城青年の家あかぎ自然学校周辺において,野生動物の生活情報である様々なフィールドサイン(羽毛・古巣・食べ跡等)を探索し,その結果を情報として共有化しました。それぞれのサインから生態などを想像できます。
〈主なフィールドサイン〉ホオジロの古巣・ムササビの巣材・リスの食べ跡など
サインを探しています 拾得物を持ち帰りました
午後  グループごとに観察・探索した結果を,全員に紹介し,あれこれと野生動物の生態を想像してみました。意外に痕跡を探すのは難しかったようです。さらにとっておきの場所や面白そうな観察結果を共有するために,全員で外に出て散策しました。ムササビの巣材やイノシシの土耕跡などを確認することができました。早朝の観察では確認できなかった野鳥の声も幾種類か聞こえてきます。ミソサザイ・ヤマガラ・シジュウカラ・メジロなどの声がしていました。寒くて薄暗い林の中でも,活発に活動している鳥たちを見ていると,こちらも元気づけられます。元気のお裾分けをもらっているようでした。
観察・探索結果をマップに書き込みます 全員での観察(雪が舞いました)
参加者より  参加者の皆さんの中には,野鳥や植物に詳しい方もいらっしゃったので,互いに教え合ったり,紹介し合ったりしていました。探索部から新しい交流が始まることを期待します。「野生動物(ムササビ)を直接見ることができて興奮した」「夜の観察や調査を本格的にしてみたい」「別の場所に移動して,同じような探索をしたい」などという感想をいただきました。

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