国立赤城青少年交流の家では,10月20日(土)〜21日(日)の1泊2日の日程で,「コミュニケーションセミナー〜『ことば』の達人に学ぶ〜」を開催しました。この事業は,昨年度からスタートし,今年度が第2回の開催となります。
 複雑化する社会環境で生きる青少年に対して,コミュニケーション手段として不可欠な「ことば」の様々な表現や伝達の方法を体験を交えて学び,コミュニケーション力を高めるきっかけとなることをねらいとして開催したものです。参加者は,群馬県をはじめ関東各県や新潟県・奈良県などから学生や社会人41名が集まりました。

 本セミナーは,文化庁の国語調査官(講座1),プロの声優(講座2),東京大学大学院の臨床心理士(講座3),危機管理・広報アドバイザー(講座4),パフォーマンスインストラクター(講座5)の多彩な顔ぶれによる5つの講座で,参加者たちは自分と他者の違いを認識し,他者との関わり方の気づきを体感しながら「思い」の表現方法を学びました。

 
講  座  1 講  座  1 講  座  1 講  座  1 講  座  1
鈴木 仁也 講師
(すずき まさなり)
神谷 明  講師
(かみや あきら)
森 俊夫  講師
(もり としお)
伊原 正俊  講師
(いはら まさとし)
久保田 桂子 講師
(くぼた けいこ)
 1日目の講座1は,シアターゲームを通して,伝える相手を意識したり,話を受ける自分を意識したりすることや言葉とイメージとのズレを体験しました。また,講座2では,簡単な台詞から一人一人が想像力を働かせることや,それらを声で伝えるための工夫を学び,講座3では,人間の気質に着目した4つのタイプから,自分自身の気質を見極め,相手についても気質を理解して,それに合わせたコミュニケーションスタイルをとることが大切という講義を受けました。  2日目の講座4は,謝罪の「心」と実践について多くの事例から謝罪の成功や失敗のポイント,日常における危機管理意識の重要性について謝罪の模擬体験などを行い,講座5では,挨拶の仕方から表情や発声のトレーニング,言語表現と非言語表現の比較や自分も相手も大切にした自己表現(アサーショントレーニング)についての実習を行いました。
 参加者のみなさんからは,「考える力・感じる力・想像する力・表す力の『言葉の力』を大事に活用したい。」,「様々な仕事をされている方のそれぞれの魅力的な部分を,体まるごと受け止めて活かしていきたい。」「人とつながる心は常に私の心の中にあると思っています。でも、この講座でさらなるあったかな心を手に入れたいと思いました。」などの感想が聞かれました。

 多くの人との関わりの中では,自分の思いや感じたことをいかに相手にわかりやすく伝えるか,相手のことばの傾聴や気持ちの受容ができているかなどを意識することや,歩み寄って物事を解決しようとする心が円滑なコミュニケーションに必要なことであるといった気づきが,このセミナーを通して得られたようでした。